「〜飯縄山麓発〜白地図を夢色に」白地図をぬろう会/編著 より
しばらく見かけなかったホタルですが、近年あそこにいた、ここでも見たとの声を聞くようになってきました。いくらか情報を入手して、観察に出かけました。
【調査日】 | 2007年7月7日 |
【場所】 |
鳥居川(牟礼用水取り入れ口付近)、 滝沢川(大宮神社入口 橋から上流)、 滝沢川(丸山橋)、滝沢川(八蛇川との合流付近) |
以上の4か所ですが、その年は滝沢川(大宮神社入口の橋から上流)で目にした乱舞が圧巻でした。ただし、毎年乱舞が見られるものと期待したところ、2009年にはなぜか滝沢川全体 で非常に数が少なく、これは一体何の影響だろうかと心配になりました。一方、八蛇川沿いでは広範囲に生息が確認できました。蛍が見られる時期は6月10日前後から7月20日ごろ、夜 の8時から9時ごろ、雨が降らず蒸し蒸しする夜に多く舞うようです。旧牟礼村地区にはゲンジボタル、ヘイケボタル、オバ ボタル、ベニボタルが生息しているといわれていますが(※1)、 これまでに確認できたのはゲンジボタルでした。
ホタルが生息するためにはさまざまな条件が必要です。余計な光がない場所で、休める植物がたくさんあり、水辺の苔などがあって産卵ができること、さなぎの時期に利用する土がある こと、そして幼虫の餌となるカワニナがいるきれいな水があることが必須です。近年下水道が普及し、川に流れ込む生活雑排水がほとんどなくなりました。その成果の一つが、ホタルの復活という形で現れてきているようです。
” ほう ほう ほたるこい あっちのみずはにがいぞ こっちのみずはあまいぞ ”
もう、かれこれ50年以上前のころ、こうやって歌いながら草霊とスギナを入れたびんや袋を持ち、兄弟や近所の仲間とホタルを追いかけたことを思い出します。
このときばかりは暗闇でも怖くありませんでした。当時の川筋には、メダカの群れもいました。今この小さな川にホタルが戻りつつありますが、こうした自然環境のもとで、ゆったりした気持ちを持ち続けていきたいものと思います。
町全体での確認はまだまだこれからです。きっと、さらに多くの場所で舞っていることと思います。あなたも探してみませんか。
(※1)牟礼村誌(1997)
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