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「霊泉寺跡」かつての修験の霊場

「霊泉寺跡」かつての修験の霊場 「霊泉寺跡」かつての修験の霊場

「〜飯縄山麓発〜白地図を夢色に」白地図をぬろう会/編著 より

飯綱町から見る飯縄山は、均整が取れた美しい形をしています。ひと連なりの山頂をつくる 左のピークが飯縄山(標高1917メートル)、そして右のピークが霊仙寺山 (1875メートル)です。霊仙寺山の東の麓に霊仙寺跡があります。
霊仙寺湖の近くの白樺台に、一の鳥居かつての面影を残す石段の礎石が残りますが、そこから霊仙寺集落までの古い道は廃道になっています。霊仙寺集落から五輪原を通りぬけると、その先に二の鳥居・前宮・講堂・三の鳥居の礎石が残っています。石水鉢には、室町時代の応永11年(1404)という刻銘があり、今から100年ほど前(明治35年)には500年記念碑が建立されています。また、奥ノ院に向かう石階段と手洗いの水鉢は、上杉氏によって寄進されたと伝えられています。奥ノ院の近くには大きな自然石群があって、その迫力には圧倒されます。
道標には、「霊仙寺山頂より飯縄山をへて、戸隠山中社へかけぬけ道」と刻まれています。
霊仙寺は、戸隠の顕光寺と同様に、五社大神(大日霊貴命・大己貴命・事代主命・稲蒼魂命・猿田彦命)が祀られており、かつては修験者の修行の場として繁栄していたことが窺えます。明治4年に、神道と仏教が分離される事によって霊仙寺は廃寺となり、明治43年に神社は高山神社に合祀され、廃社となりました。
このあたりは、春には駐車場の周辺にニリンソウの群生が見られ、秋には参道沿いにもきのこが出ます。

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