1. TOP
  2. 白地図を夢色に
  3. 「三登林道を歩く」カタクリの咲く里山の道

「三登林道を歩く」カタクリの咲く里山の道

「三登林道を歩く」カタクリの咲く里山の道 「三登林道を歩く」カタクリの咲く里山の道

「〜飯縄山麓発〜白地図を夢色に」白地図をぬろう会/編著 より

飯綱町の袖之山集落の東窪地籍から、三登山麓に沿って南西に2.6キロほど延びる山道を、地元の人たちは「三登林道」と呼んでいます。この道は、その先にある坂中峠に近い、県道二之倉線と結ばれています。この林道に沿って、何本かの山道が三登山山頂に向かってのびており、また山から流れ出る水路が幾本も林道を横切っています。袖之山から1キロほど行ったところに左側に登る道があり、そこを100メートルほど入ると3〜4枚の水田が耕作されています。この畦畔とその周辺がカタクリの宝庫です。4月下旬にここを訪れると、所狭しと咲き誇るカタクリの群生に会うことができます。
林道の右側には、畑が二反歩ほどあります。いずれも袖之山地区の人たちの耕作地です。県道二之倉線の方から600メートルほど入ったところにも水田が何枚かあり、こちらは地蔵久保地区の人が耕作しているそうです。
私たちがこの林道を訪れたのは、平成17年(2005年)4月23日のことでした。ウグイスの声を聞きながら、芽吹き始めた木々の間から垣間見る、飯縄・黒姫・妙高の山々の眺望は、ま た格別でした。カタクリの花にはちょっと早目でしたが、満開を想像しながら群生を賞賛しました。沿道には山野草が多く、ショウジョウバカマ、シュンラン、タチツボスミレ、カタクリ、ワサビ、ヒカゲノカズラ、ネコノメソウ、ナデシコ、ヤブカンゾウ、ウバユリ、タンポポ、アブラチャン、ダンコウバイ、ウチワドコロ、ワレモコウ、ウグイスカグラ、リョウメンシダ、オシダ、コタニワタリ、ヤマザクラ、コブシ、キブシ、ヌルデ、ツノハシバミ、ウリハダカエデ、ガマズミなどが見られました。
お昼には、以下の「道草」の味見を楽しみました。
  ○ おひたし等に = セリ、ワサビの花、ツクシ ○ ヌタ = ヤブカンゾウ ○ 汁 = ノビル、アサツキ、ミツバ ○ てんぷら = ヨモギ、ワサビの花、タラノメ、コシアブラ、タンポポ、フキ   総じて、この林道は農耕や山仕事のために使われるだけで、地元の人たち以外にはほとんど立ち入る人はなく、のどかな自然が残されてきたように思います。この自然が壊されることなく、いつまでも保全されていきますように。

▼クリックで地図をPDFでダウンロードできます。