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「リゾートスキー場」四季を歩く楽しみ

「リゾートスキー場」四季を歩く楽しみ 「リゾートスキー場」四季を歩く楽しみ

「〜飯縄山麓発〜白地図を夢色に」白地図をぬろう会/編著 より

“いいづなリゾートスキー場” のリフトの最高地点は標高1500メートルです。最高地点で降りると、志賀高原や上信越国境の峰々、越後の国の米山から甲州の南アルプス、伊那・木曽の中央アルプスまで、人気の百名山の12座にもおよぶすばらしい大パノラマが展開します。
冬の山に登り、スキーの楽しみばかりではなく、雪の中を散策するのは爽快です。植生の垂直分布が見られるだけでなく、ダケカンバやシラカンバの林では、それぞれの樹々の美しさ、霧氷や樹氷という冬季だからこその景観もあります。
平成20年(2008)に、スキー場内に地元住民有志の手によって “トレッキング遊歩道(約3キロ)” のコースが設けられました。夏季は手軽な散策路として、冬季にはスノーシュー・ハイキングコースとして、四季を通じたスキー場の活用と地域の活性化への貢献が期待されています。
ゴールデンウィークが明けたころ、遊歩道の案内柱『雪椿 四十路』付近の谷間に行くと、ユキツバキが沢一面を埋め尽くして咲き誇っています。また、『水楢の小路』を進むと、ミズナラの太い幹にクマの爪跡が見られ、樹々の上部にはクマがドングリの実をかき寄せて食事をした跡である熊棚が散見されます。
雪のない時季のゲレンデ中央部には、ヤナギランの群生やノギランやナルコユリ、エゾリンドウ、オカトラノオ、ワラビなどが足の踏み場のないほど自生しています。下部には、ヤグルマソウの群生やオニアザミ、ワタスゲ、サギスゲ、オオバギボウシ、サワギキョウ、オトギリソウ、ススキや外来種のイタチハギ、プタナ、ヒメスイバなど数多くの植生に覆われています。
葉を落とした林では、野鳥の姿がよく目立ち、ウサギやイノシシ、リス、イタチなど動物の足跡も多く、冬の森は意外ににぎやかです。見方を変えれば、スキー場はスキー以外にも魅力をいっぱいためこんだフィールドなのです。
将来的にもしスキー場が閉鎖され、リフトがなくなってしまうと、全山が森林となってしまいます。このすばらしい展望や 今となっては珍しい山野草たちに手軽に出会えるのも、スキー場として管理された半自然の草原空間があるからこそです。この自然環境は町の大きな財産ともいえると思います。

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