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「逆谷地湿原」10万年の歴史を秘めた小さな湿原

「逆谷地湿原」10万年の歴史を秘めた小さな湿原

「〜飯縄山麓発〜白地図を夢色に」白地図をぬろう会/編著 より

飯綱火山の南東麓に広がる高原の、ちょうど長野市と飯綱町の境に、逆谷地という変わった名前の湿原があります。
この名前の由来ははっきりしませんが、おそらくは、湿原全体が飯縄山の方にゆるやかに傾いていることから、ほかの飯縄山麓の川の流れとは違って、ここに流れ込む水だけがいったん飯縄山に向かって流れるということが「さかさ」の理由ではないかと思われます。広さ約4ヘクタールの小さな湿原ですが、低い気湿と適度の水分のおかげで植物遺体が腐らずに少しずつ積み重なり、それが厚さ13メートルもの泥炭層になって推積しています。
その泥炭層について詳しく研究された結果、ここが約10万年にも渡る長い歴史を秘めた湿原であることが分かりました。
1万年以上の長い歴史を持つ生きた湿原は、全国的にも珍しいものです。
湿原はカラマツ林の中にぽっかりと開けた自然豊かな空間をつくっており、一面がミズゴケに覆われています。
4月の雪解けを待って、春から秋にかけて、ミツガシワやオオニガナ、タチアザミなどの野草がつぎつぎと花を開き、野鳥のノジコやハラビロトンボなどの特徴的な野生生物も多く生息しています。
この湿原は、もともとは地元のごく限られた人が知るだけの場所でした。
この湿原が残されてきたのには、軟弱な泥炭層と水分が多いために畑や別荘地などに利用できなかったという理由があります。
ところが、近くにゴルフ場開発計画が持ち上がったことをきっかけに、この湿原の価値が知られるようになりました。
その後多くの人たちの協力によって、この湿原は保全され、平成12年(2000)3月には長野県の自然環境保全地城に指定されました。
今では遊歩道が整備され、気軽に湿原を観察できるようになっています。