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「飯綱山原田新道に残るブナ」原植生の残存?

「飯綱山原田新道に残るブナ」原植生の残存?

「〜飯縄山麓発〜白地図を夢色に」白地図をぬろう会/編著 より

一般にはまだあまり知られていませんが、飯縄山には “原田新道” という町の山岳会が開拓した登山ルートがあります。この道に沿って、“滝ノ沢” と “鳴岩” の沢の間にのびる尾根を登って行くと、標高1400〜1500メートル付近のところにブナがあります。胸高の胴回りは1.7〜2.4メートルほどで、見ごたえのあるブナが20本ほどまとまって残っています。飯縄山の東斜面では珍しいブナ群落といえます。“白地図をぬろう会” では、この内10本ほどの調査を行いました。それぞれに個性があって、一太郎、次郎、三郎太などと命名をしています。初夏の開山祭のころに、若葉がさやぐこの樹々の下を通ると、心身ともに癒される気がします。
現在飯縄山は山頂に至るまで、ほとんど原植生の名残がありません。けれども、ひょっとしたら、これらのブナが飯縄山の原植生の痕跡であるかもしれません。ブナは自然状態において長い時間をかけて極相林をつくる樹種なので、この山の森の遷移を考える意味でも価値が高いと思います。
登山道沿いではツツジの類で美しいものも多くあります。サラサドウダン、ミツバツツジ、ホツツジ、ヤシオツツジなどなど。それらの花は、初夏にはオオカメノキの純白の中に映えて美しく、また紅葉のころには葉が見事に色付きます。

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