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「高坂りんご」初恋の味

「高坂りんご」初恋の味

「〜飯縄山麓発〜白地図を夢色に」白地図をぬろう会/編著 より

島崎藤村の詩「初恋」に出てくるりんごは、和りんごであるといわれています。
「高坂りんご」は、旧牟礼村が平成17年(2005) に天然記念物として指定したかわいらしい和りんごです(現在は飯綱町天然記念物)。
かつて町内の高坂地区の特産でしたが絶えてしまい、現在中宿地区の米澤稔秋さんが栽培されています。
平成16年(2004) には復活への思いを込めて、高坂りんごが善光寺に奉納されました。
りんごの原産地であるヨーロッパから中央アジア、中国をヘて9世紀に日本に入ってきたのが和りんごで、江戸峙代の終わりには信濃名物の一つとして高坂りんごの名が出ています。
その土地の名が付いたりんごはとても珍しく、国内にわずかに残る和りんごの中でも高坂りんごが唯一のものといわれています。
昭和62年(1987) に高坂で最後の木が枯れたのを残念に思った米澤さんが、親木の特徴が一番残るといわれる「根分け」という方法で譲り受けた2本の苗を育成。
りんご畑に植えられた1本が10年をへて実を結び、現在に至っています。
甲治15年(1882) に編さんされた「志賀村誌」には5石(1石はほぼ200リットル、ドラム缶一つ)のりんごを善光寺町に持って行き売っていること、また花の名所であることが記されています。
このりんごの特徴で、花は一房に七つ付きます。菌のときはカイドウのようであり、満開になると桜の花に似て見事な風景となります。
摘果をしても大きくはならないので、8月末になるとそのまま花が付いた数だけ、鮮やかな赤色の実が鈴なりに実ります。
これもほかのりんごには見られない特徴です。
熟すと香りも一段と増し、自然と皮がむけてくるのも特徴的です。
かつて和りんごはお盆のお供え物や、土産物としても利用されることが多かったようです。
これからどのような形で存続させ、利用して行くか、課題にもなっています。